この記事は寝れないほど不安な気持ちをつい抱えてしまうあなたのために書いています。
不安をなくしたいとあなたは思っているかもしれませんが、不安をなくすことはできません。なぜなら人間に必要な感情だからです。不安や恐怖という感情があるおかげで人間は今まで生き延びらえれることができました。
つまり、不安や心配は人間のDNAに刷り込まれた生存本能なのです。だから不安や心配をなくそうと頑張るのではなく、どうやってマイナス感情と仲良く、うまくやっていくか?を建設的に考えることが必要です。
この記事では寝れないほど不安や心配な気持ちになってしまうことがある人が、落ち着きを取り戻したり、手放すための考え方・具体的な方法などについて解説していきます。
不安はどこからやってくるのか?
人間の不安感情は、大きく分けて「生命の危機」「過去の経験」の2種類から生まれます。
脳は、失敗したことなどネガティブな経験をストックするという性質があります。これは悪いことではなく、危険回避をするために必要な機能なのです。ですが、脳はエネルギーを使うことがなによりも嫌いな超省エネ気質なので、一度失敗したことはやらないようにさせます。
これが過去の経験から不安感情が生まれるカラクリです。生命の危機と過去の経験は人の悩みを生み出します。悩みについてメンタリストDAIGOさんが著書でわかりやすく解説していたので紹介します。あなたの不安もこの4つのいずれかに当てはまるはずです。
悩みの9割は4文字に集約・分類される
メンタリストDAIGOさんの著書「人を操る禁断の文章術」のなかでこう解説されています。
私はメンタリストとしての経験上、悩みの9割は「HARM」(ハーム)の文字に集約され、分類できると考えています。
HARMの「H」は「Health」、健康のこと。ダイエット、外見の変化、病気、加齢など、心身にまつわる健康はすべてここに含まれます。
「A」は「Ambition」、野心や大望という意味ですが、ここでは「将来の夢」や「叶えたい希望」と解釈しています。理想の仕事、出世したいという願望なども含まれるでしょう。
「R」は「Relation」、人間関係。会社での人間関係、友人、知人、恋人、結婚、離婚も含めます。
「M」は「Money」、ずばりお金にまつわる悩みです。収入の増減、借金、年金、住宅の購入など大きな買い物も含まれます。
人間は基本的にネガティブな生き物です
さきほども出たように基本的に生存本能がある人間は危険を回避するために基本ネガティブです。これは人間が生まれた原始時代から何もかわっていません。「こっちにいったらトラに食べられるかもしれない」「こっちにいったら崖に落ちるかもしれない」「これを食べたら死んでしまうからもしれない」そうやって危険を事前に察知することで人間は今日まで生存競争に勝ってきました。
そしてこの生存本能を司っている部位は、勉強熱心なあなたは当然わかっていると思いますが「脳みそ」です。
つまり、脳が私たちの感情や行動を牛耳っている親分です。
人間の脳は【脳幹】【間脳】【小脳】【大脳基底核】【大脳辺縁系】【大脳】の6つの部位に分かれています。とくに重要なのが次の3つです。
- 「脳幹」(爬虫類脳・反射脳)「生命維持」を司る(潜在意識に関係する)
- 「大脳辺縁系」(哺乳類脳・情動脳)「感情」を司る
- 「大脳新皮質」(理性脳・理性脳)「思考や意思決定」などを司る
脳の性質上、もっともエネルギーが強いのは「生命維持」を司っている脳幹です。わたしたちは意識して心臓を動かしていませんよね?寝ている間もバクバクと心臓が鼓動しているのはこの「脳幹」のおかげなのです。このエネルギーが弱かったら簡単に人は危険な行動をして死んでしまうかもしれないからです。
よく感情的になってしまう人を見ることがあると思いますが、考える機能を司っている「大脳新皮質」より感情を司っている「大脳辺縁系」の方がエネルギー的には強いので人間は簡単に感情に飲み込まれてしまうのです。つまり、不安になりやすい人ほど感情に乗っ取られる人です。
「大脳辺縁系」に脳が支配されているとき、つまり感情的になっているとき「大脳新皮質」は機能停止しています。考えるという機能が停止しているので、無駄なものを買ってしまったり、無駄な時間を使う事態を引き起こします。
冷静な判断ができる人は脳のメカニズムと使い方を熟知している人です。つまりは「大脳新皮質」がつねに優位になるように考えて行動している人です。「大脳新皮質」が優位になる行動とはどういうことか?
次の3つが鍵になります。
- 「呼吸」:感情的になったときは「10秒」深呼吸するだけで「大脳新皮質」優位の状態になります
- 「言葉」:ネガティブな言葉ではなく、ポジティブな言葉を使うようにセルフコントロールする
- 「思考」:建設的で前向きな思考を意識してする
では具体的に何をしていくかを次に解説していきます。
不安な気持ちを落ち着かせる、手放す具体的な方法
不安な気持ちを落ち着かせる、手放す具体的な方法はつぎの5つです。
- 見えない不安を書き出して、見える化する。
- 物事のプラスとマイナスを考える
- ゴールを思い描く(ビジョンボードを作る)
- マインドフルネス(瞑想をする)
- ポジティブな内部対話をする
見えない不安を書き出して見える化する。
①シカゴ大学のラミレスとベイロックが2011年に「science」に公表した研究結果です。大学生を対象にした実験で、テストを受ける前に「テストについて自分の感情や考えを書き出すグループ」と「それをしなかったグループ」では「自分の感情などを書き出したグループ」のほうが正答率が4%も高くなったのです。
②南メソジスト大学のペネバーカーらは、書き出すことによる感情の変化を実験し、「毎日自分のネガティヴな感情について書き出す」ことを4日間続けると、一時的にネガティブ感情が強まるものの、長期的にはポジティブになることがわかりました。さらに4ヶ月後には気分や感情の改善が見られたとのことです。
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物事のプラスとマイナスを考える
本質的なことをいうと物事に「プラス」も「マイナス」もありません。そこに「これはいいこと、わるいこと」と意味づけをしているのはわたしたちです。わたしたちはどうしても世界を自分の価値観やルールつまり「色眼鏡」をかけた状態で見てしまいます。これは仕方のないことです。
大事なのは、なんども言っているように「考える」こと。「あーー最悪」「ムカつくー」「悲しい」という出来事が起きた場合に「果たして本当に最悪なんだろうか?」「マイナスの出来事なんだろうか?」その瞬間は最悪かもしれませんが、未来の視点からその瞬間を見た時、人生のターニングポイントになった。そんなことが人生には多いです。
つまり、物事がプラスかマイナスかはすぐに判断できるものではないということです。
だから、不安になったり、心配事があったときも「ほんとうに最悪だろうか?」「これがあったおかげでいいこともあるんじゃないか?」「不安があるおかげでよかったことってないのか?」と視点を変えて考えてみることが大切です。
ゴールを思い描く(ビジョンボードを作る)
不安が強い人は「自分が将来どうしたか?」「人生の目的はなにか?」というゴールが明確に描けていないことが多いです。人生の目的が明確な人はやるべきこと、やりたいことに向けて行動ができるので不安を感じることが少なくなります。また不安が出てきたとしても行動している目的が明確なので、すぐに自分軸に戻ることができます。
わたしの「人生の目的はなんだろう?」「この人生でどんなことを成し遂げたいかな?」とちょっとでもいいので考えてみてください。そして現時点で大丈夫です。現時点で思い描いた最高の未来を忘れないように「最高の未来のイメージ」(理想の家、環境、仕事、人間関係など)をペタペタ貼り合わせた「ビジョンボード」をつくることをオススメします。
これはリアルに紙に貼るのでもいいですし、「Canva」などのデジタルツールを使用して作成するのもオススメです。ぼくは「Canva」で作ったビジョンボードをPCやタブレット、スマホの壁紙にして、つねに「ビジョンボード」が目に入るようにしています。
マインドフルネス(瞑想をする)
マインドフルネスとは「いまここ」に集中することをいいます。ハーバード大学の心理学者キリングワースとギルバートはこんな研究を報告しています。
ポジティブな内部対話をする
不安感情が多い人は「内部対話(セルフトーク・ひとり言)」がネガティブなことが多いです。「どうせわたしはできない」「どうせわたしなんてダメだから」内部対話はとくに自分の脳が聞いています。
脳は自分のご主人様が使う言葉の「良し悪し」を判断せずに、その言葉とおりに実現しようとします。だから「どうせわたしはできない」と思っているとそんな現実を引き寄せるし、「どうせわたしなんてダメだから」と言っているともう一度言いたくなるような現実を引き寄せるようになります。
でも脳に悪気はありません。「だって、叶えたかったんでしょ?」そう思っています。
最初は難しいかもしれないけど、脳は言葉どおりの現実を作ると考えたら「わたしもできる」となるべくポジティブな声かけを自分自身にしていく努力をしていきましょう。
まとめ
この記事は寝れないほど不安な気持ちをつい抱えてしまうあなたが気持ちを落ち着かせる、手放す方法について具体的に解説しました。
今回は脳科学や人間心理的な視点からも詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
幼稚園生の時、死んだらどうなるのだろう?と考えて、怖くてしょうがなくなったことを覚えています。
死んだら何も考えられなくなって無になってしまうのだろうか?
嫌だ、怖いよ・・・そう思って夜も眠れなくなりました。どうしようもなく不安になりました。
だから、不安で寝れなくなるあなたの気持ちがよくわかります。
何がキッカケだったか?今では思い出せませんが・・・偉人の伝記(漫画)をよく読むようになりました。
その結果、生きた証を残したい、そう思うようになりました。まさにさきほど話したゴール設定です。
ナイチンゲールや野口英世、坂本龍馬など、野口英世の生き方は僕の人生に大きな影響を与えました。
小さい頃に火傷を負った手を手術し、その影響を受けて医師になった野口英世。自らの命を顧みることなく、病気で苦しむ人々を救いに現地に赴き、命を落とした。
こんな生き方がしたいと思いました。自分にしかできないことでこの世に貢献したい。
大事なことに自分の大事な命を使って生き切ったと言える輝く人生にしたい。
いまでもその想いに変わりはありません。
不安をなくすことはできません。それでも不安と寄り添い、一緒に生きていくことはできます。すべては自分次第です。そのためのヒントを本記事で解説しています。
この記事をキッカケにすこしでもあなたの不安が解消されたらなによりの喜びです。