専門用語が“売上を殺す”理由|説明力で売上が3倍変わるマーケティングと言語化の本質

専門用語が“売上を殺す”理由|説明力で売上が3倍変わるマーケティングと言語化の本質

はじめに

今日は、どんなビジネスにも共通する、致命的だけれど、気づきにくい「売れる言葉」の本質についてお話しします。

結論からお伝えすると「専門用語は、売上を殺します。」

つまり、どれだけ素晴らしい商品でも、あなたの熱量がどれだけ高くても、相手に価値が伝わっていなければ、買われません。当たり前のようで、いちばん見落とされやすいポイントなので、解説をしていきます。


あなたの「常識」は、相手の「非常識」

専門家であるほど、自分の分野を深く理解しています。毎日そのことを考え、学び、当たり前になっているからです。だからこそ、ついこう思ってしまうんです。

「この言葉、みんな知ってるよね?」

「説明しなくても伝わるでしょ?」

しかし…安心してください。そんなことは ない、ない、ない、なーーーーい!(笑)

たとえば「チキンラーメン」。

誰でも知っていますが、四六時中考えている人はいません。チキンラーメンの開発部門のスタッフさんは、月一で食べるくらい、愛しているとテレビで見たことがあります。なんか、ステキですね!

ようは、知識とは“知っているようで、いつも頭の中にはない。そして意外と”知らない・考えていない”もの。

とくに専門家であればあるほど、その業界が長くなればなるほど、自分の感覚と一般の人の感覚には大きな差が生まれるようになるので、そこを認識しておくことが、じつはとっても重要。

実際にあったクライアント事例

先日、あるコーチの方とZoom越しでコンサルティングをさせていただく機会がありましたが、熱量いっぱいで話してくれました。

「わたしのコーチングを受けると潜在意識が切り替わって、ステートが安定して可能性を120%引き出せるんです!」

などなど、内容は聞けば聞くほど、素晴らしい内容です。

しかし、それと同時に思ったので、質問してみました。

「そもそも…“コーチング”って一般の人はすぐにイメージできます?」

「“潜在意識”って、明確にわかる?」

「“ステート”って伝わってますか?」

その瞬間、「あ、いや、その…」相手は一拍置いて固まりました。意地悪したかったのではありません。

むしろ逆です。「素晴らしい商品なのに、その説明では、きっと相手に価値が届かない…」「その商品がほしいとは思われない…」そう感じたからです。

相手は“知らないとは言わない”からズレが起こる

ほとんどのお客様は、専門用語の意味を知らなくても、「知らないです」とは言いません。その理由は…

  • 面倒だから、だったり
  • 質問しにくいから、だったり
  • 無知だと思われたくない、からです。

だから、とりあえず「へぇ〜」「なるほど〜」と“知ったふり”をして会話を進めます。あなたにも経験ありますよね。笑

その結果、どんなことが起こるのか?というと…会話はめっちゃ盛り上がったのに、最後の最後で《商品は売れない》という状態が起こります。

これは、説明のズレによる“コミュニケーションエラー”、そしてあなたの商品の価値が120%伝わっていない証拠です。

お客様の《思考の流れ》をわかりやすくすると、こんな感じ👇

思考の流れ1
知らない言葉が出る

思考の流れ2
思考が止まる(理解がストップ)

思考の流れ3
聞き流しモードに入る

思考の流れ4
価値が伝わらない

思考の流れ5
「買う理由」が生まれない


結論:売上を決めるのは《説明精度》です

どんな商品・サービスでも「誰に、何を、どう伝えるか?」で売上は大きく変わります。

例えば、チキンラーメンを売る場合、響くポイントはターゲットでまったく違います。

・会社員の男性 → 「忙しくても3分で食べられる」

・子育て中のママ → 「子どもでも安全に作れる」「朝食がラク」

・一人暮らしの学生 → 「安い・うまい・早い・アレンジ自由」

こんな感じで、同じ商品でも、言葉を変えなければ刺さりません。また、小学生と大人など、年齢や職業、環境などによっても、同じ意味の言葉でも、どの言葉をチョイスするかを考えないと伝わりません。(例:難解→難しい、馬鹿→バカなど)

だからこそ

  • 誰に伝えるか?(ターゲット)
  • どんな言葉で伝えるか?(ことば選び)

これがマーケティングであり、ライティングの本質です。

「知らない前提」で丁寧に伝えられる人が、選ばれる

商品が売れる人と売れない人の違いはひとつです。

相手の“理解レベル”を正しく見ているかどうか。

お客様の頭の中をイメージして、一歩先回りして、思いやりをもって説明できる人。

そういう人が、最後に“選ばれ続ける人”になります。

相手に伝わるための「3つのシンプルなコツ」

専門用語を避けるために、むずかしい分析やスキルは必要ありません。

今日から誰でもできる“相手の理解レベルを合わせる3つのコツ” をまとめました。

コツ①:相手が知っている言葉だけで話す

人は「知らない言葉」が一つでも混ざるとその後の話が全部入ってこなくなります。

だから、最初はシンプルにこう考えてください。

相手が使っている言葉なら、相手は理解できる。

たとえば、冒頭の「ステート」という言葉。コーチング用語で「状態・ありさま(心の状態)」という意味なのですが、もし相手がその言葉が分からなそうだったら「ステート」ではなく「心の状態」という言葉を使っていたら伝わり方がまったく変わっていたはずです。


コツ②:小学生にも話せるレベルで説明する

これは最強の法則です。

「小学5年生に話すつもり」で説明する。

これを基準にすれば、専門用語・抽象語・むずかしい概念は自然に整理されます。

例:潜在意識 ⇨ 「自分では気づかない心のクセみたいなもの」

例:思考 ⇨「その人が頭の中で考えていること」

これって、小学5年生がわかるかな?説明する前に一呼吸おいて、考えるだけで伝わる力が一気に上がります。


コツ③:例え話をひとつ入れる

もし説明で迷ったら、日常のものや出来事、目の前の人が知っていそうなヒト・モノ・コトに置き換えるを試してみてください。

例:潜在意識 ⇨「スマホの“自動設定”みたいなものです。気づかないけど勝手に動いている感じ。」

例:潜在意識  ⇨「電車で寝ていても、自分が降りる駅になるとパッと起きるでしょ?あれは潜在意識のおかげ」

例:コーチング ⇨「あなたの気持ちや考えを整理する“鏡”みたいな関わりです。」

例え話が1つあるだけで、相手の理解スピードが何倍も速くなります。そして、普段からこれってなにかの例え話に使えそうと思ったら、スマホに簡単にメモしておくことをオススメします!

すぐにできる《簡単ワーク》

では、ちょっとワークをしてみましょう。あなたのサービスを思い浮かべながら3つだけ書き出してみてください。


(1)専門用語になりがちな言葉は?


(2)その3つを“小学生でもわかる言葉”にすると?


(3)日常の例え話にするとしたら?


たったこれだけで、あなたの説明が驚くほど伝わるようになります。

《まとめ》今日のポイント

あなたの常識は、誰かの非常識

・相手は「知らない前提」で丁寧に話す

・思いやりと先回りが、売れる説明をつくる

強みはお客様が理解できるカタチで“説明できて初めて価値になる”


今日の話はどんなビジネスにも通じる本質です。説明精度が高まれば、売上は確実に変わります。

あなたの商品やサービスが、本来持っている価値そのままにお客様へ“伝わる”ことを願っています。

そして、本記事がそのためのキッカケになったら嬉しいです。

そして……「もう警部!チキンラーメン食べたくなったじゃない!」と思った方がいたら、ごめんなさい(笑)

こちらの本オススメです!

チキンラーメン繋がりで、紹介させてください笑。ストーリーとして面白いだけでなく、ビジネス的にも学びや気づきが詰まっている1冊です。

私の履歴書 魔法のラーメン発明物語
40代で無一文の状況からチキンラーメンなどの即席めんを発明し、世界の食文化を変えた安藤百福氏の自伝。めちゃくちゃ面白いです。

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